かたくりかたこりかたつむり

やっぱり誤字脱字は氷山の一角

ネバー・モア -「ペルソナ4」輪廻転生- 感想


ネバー・モア -「ペルソナ4」輪廻転生- 初回仕様限定版特典付き(特典付きは無くなり次第終了)ネバー・モア -「ペルソナ4」輪廻転生- 初回仕様限定版特典付き(特典付きは無くなり次第終了)
(2011/10/26)
目黒将司(メインコンポーザー)

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TVゲーム「ペルソナ4」サントラのアレンジアルバム、『ネバー・モア -「ペルソナ4」輪廻転生-』のレビューです。ペルソナ3のアレンジアルバム『バーン・マイ・ドレッド -「ペルソナ3」輪廻転生-』が先に出ていたので、ペルソナ4のアレンジアルバムはいつ出るんだろうと思っていましたが、ついに来ましたよー。

OPのPursuing my true selfロングバージョンを初め、今回は生楽器も加えたアレンジが収録されています。歌ものは大幅なアレンジではなく、原曲をロング化した感じものが多いです。

全体的に安定した出来。なのですが、いまいち心動かされる曲が少ないというか、可もなく不可もなくというか、別に悪くはないんだけどという印象でした。店で流れていて「あーかっこいいなー」と思うんだけど、帰るときにはすっかり忘れている音楽という感じ。ペルソナ3のアレンジは、出来に幅はありましたが、もっと「おっ」と思わせる尖った曲がありました。

メインをはる歌ものよりもインストのほうが良い曲が多いです。特にI'll face myself -Battle-のストリングスはかなりいいですね。今回のアレンジは目黒さんに喜多條さんが加わり、歌ものを目黒さん、インスト曲を喜多條さんが担当されています。歌ものは打ち込みが多くインスト曲では生楽器を多用しているので、奏者によって曲の良さが底上げされているところもあると感じました。普段テクノやエレクトロニカを聞くので打ち込みがダメってわけじゃないんですが、打ち込み曲が全体的に軽く、特にドラムが軽いです。ドラマーも呼んで欲しかった。

元がゲームのサントラということでループを前提に作られているので仕方ないんですが、曲の構成的にサビが弱い曲が目立ちました。あとはボーカルが力がないかなあ。喉の調子なのか録音・編集の問題なのか。薄々思ってましたが、平田さんは声があんまり安定しません。ライブは仕方ないけど、CDならいじってもいいのよ……。

以下、曲ごとのレビューです。

1. Pursuing My True Self

祝・OPのロング化! 好きな曲なのにずっとロングバージョンがなかったので嬉しいです。ボーカルは出だし以外はいいです。微妙にイントロの音が違うのはちょっとマイナス。

2. Heartbeat, Heartbreak

原曲よりノリが強調されて、サビ部分のリズムが変わって良い感じ。間奏がちょっと雑貨屋とかで流れてそうでハラハラする。

3. Like a dream come true

原曲もブラスでしたがよりビッグバンドっぽくなっています。生楽器と奏者の腕の勝利って感じです。

4. I'll Face Myself -Battle-

若干盛り上げ過ぎな気もしますが、今回のアルバムで一番好きです。原曲ではギターがメロディを弾いていましたが、今回はピアノとバイオリンです。で、そのバイオリンが迫ってくる感じですごくいい。背景で鳴ってるグニョグニョした電子音も対照的で好きです。

5. Reach Out To The Truth

原曲の雰囲気そのままロング化。大胆なアレンジをせずほぼ原曲に近い作りなのは、私は別に構いません。ですが、原曲より全体的に音が軽くてスカスカです。ドラムとギターの軽さがちょっと。

6. Your Affection

ハウスMIX。うん。出来はいいんですがあまりにもそういうジャンルど真ん中なサウンドで、そういうのが苦手なのです。

7. 夢想曲

原曲のしんみりさが増して、サビは久石譲坂本龍一かと思いました。

8. SMILE

ちょっとバイオリンが不安定な気もしますが、順当にロング化されていていいですね。

9. Heaven

原曲やバンドアレンジよりももっとしっとりとしたジャズアレンジで、バーなんかで流れてそうです。やはり平田さんはこういう曲と好相性です。

10. Signs Of Love

原曲よりノリがよくて元気な感じ。跳ねるようなラップ部分は好みが分かれそうです。あと出だしがシング・シング・シングで笑った。

11. specialist

授業やテストの曲が四つ打ちでこんなにかっこよくなるなんて誰が想像しただろう…笑 印象が最も変わったのは間違いなくこの曲です。

12. Never More

合唱風ということでコーラスにアトラス合唱隊(社員のみなさん)が加わってます。それが良くも悪くも卒業式の合唱とか「○○さんを送る会」なので、これまた好みが分かれそうです。