かたくりかたこりかたつむり

やっぱり誤字脱字は氷山の一角

例のシンポジウムのレポ顛末(矢倉喬士さんとのやり取りの件)

2019年12月にあった例のシンポジウムのレポを私がネット上に公開したことについて、大まかな経緯と顛末です。

時系列

  • 2019年12月14日午後:
    当該大学にてシンポジウム開催。終了後、レポをネット上に投稿してよいか司会の先生に確認したところ、基本的に大丈夫だが事前に見せてほしいとのこと。
  • 2019年12月16日夕方:
    司会の先生へレポテキストを送付。
  • 2019年12月16日夜:
    司会の先生より、掲載OKの連絡。チェックは権利関係について(正誤チェックではない)。私より、掲載URLを連絡。
  • 2019年12月16日夜:
    私がレポを投稿。Twitter上でツイート。
  • 2019年12月17日正午頃:
    矢倉さんが反応。私のアカウントへ、レポに重大な誤りがあること、修正要求のリプライ。
  • 2019年12月17日正午すぎ:
    リプライを受け、修正するまでレポ非公開。
  • 2019年12月17日夜~18日午後:
    私からレポのテキストを矢倉さんに送付。修正箇所を含め、何度かメールでのやり取り。この時点で修正データは受け取り済み。
  • 2019年12月18日夜:
    やり取りの中で、矢倉さんからのメッセージが非常に失礼なものと感じたため、私が怒りツイートを投稿。レポは公開せず。
  • 2019年12月18日夜~19日未明:
    矢倉さんから謝罪のメールが2件届く。私が無視。
  • 2019年12月21日:
    私から当該大学事務室へ抗議メール。主な要求は、Twitter上での謝罪と該当ツイートを削除しないこと。
  • 2019年12月23日:
    大学事務室から責任者に報告した旨の連絡あり。
  • 2019年12月29日:
    矢倉さんが抗議メールを読んだことを匂わせるツイート。その後ツイートは削除。
  • 以降展開なし。

前提・経緯

  • 当該シンポジウムは公開方式。学会員のみが対象ではない。また学会ウェブサイト、研究者のTwitterアカウントにて告知されていた。
  • 録音・録画・撮影・ネット上への投稿に関して特に注意がなかったため、シンポジウム後に司会の先生に確認を取った。基本的に構わないが、事前に確認させてほしい・URLを教えてほしいとのこと。また、ゲーム実況者の方は一般人のため、名前(ハンドルネーム)を出してもよいか本人に確認済み。
  • 他の登壇者の先生にはネット上への投稿に関して確認していなかった。そのため矢倉さんは私がツイートするまでシンポジウムの内容がネット上へ投稿されることを知らなかった。
  • 司会の先生は多忙のため(というか、日本の大学教員はほとんどそうだと思う)、矢倉さんへの連絡のタイミングに恐らく行き違いがあった。
  • 司会の先生と矢倉さんとの認識に齟齬あり。
    司会の先生:学会は個人のまとめを関知するものではなく、権利上の問題がなければ一切口を出さない。明らかな間違いがあれば訂正してもらう。
    矢倉さん:東京中心の学会活動に抵抗するため、また学会に足を運ぶ価値を保つためネット上へ投稿してほしくなかった。メモの内容に、研究者として致命的な誤りがあった。また、研究者間のパワーバランス的に細心の注意が必要な内容である。※ただし、この3点に関しては関係者間で十分共有されていない
  • 私から矢倉さんへ掲載取りやめを提案したが、修正すれば公開してもらって構わないと言われる(※穏当に書いているが、かなり捨て台詞的な言い方)。

矢倉さんからのリプライとやり取り

https://web.archive.org/web/20191217083753/https://twitter.com/yu_ichi_japan/status/1206773508782428160

一旦非公開にしてほしいくらいだ。あれは。
13:22:47 12月17日

https://web.archive.org/web/20191217071833/https://twitter.com/yu_ichi_japan/status/1206791141690990592
※現在削除済み

参加した理由ですが、ビデオゲームについての学術的な研究という点が非常に興味深かったからです。この分野ではファンやアマチュアの考察や知見は多いですが、研究者によるものはあまり見ないので。

前提として、学会の公開シンポジウムは通常のファンイベント等とは重みが違うこと、レポの聞き取り内容に間違いが含まれる可能性、更にそれが学術的に許容できる範囲のものなのかという懸念は最初からありました。ネット上に掲載OKか確認を取ったのはそのためで、レポ冒頭に「聞き取りのため間違いが含まれる可能性がある」「この文章をもとに登壇者へ問い合わせる等はやめてほしい」など、注意書きも載せていました。矢倉さんからの指摘を受けて、記事を即時非公開にしたのもそのためです。

なお「研究者にとって致命的な間違い」とは、「(あるテーマについての)先行研究はほとんどない」という部分です。私が上手く聞き取れなかった、あるいはメモ取りが追いつかなかったかで、間違った記述になったと思われます(時間に限りがあるせいか、皆さん結構早口でした)。実際には先行研究はあったため、確かにその分野の研究者なのに把握していないと思われるのは致命的でしょうね。

メールの内容

Twitterでのやり取りの後、矢倉さんへレポ内容のテキストを送付しました。修正ファイルは送られて来たものの、問題はその時の矢倉さんの物言いです。

全体的に、すごく嫌だけど修正するから後は勝手にしろバーカという調子の、拗ねまくった反抗期の子供みたいな、いやこんなのを本当に社会人が送るんか? とつい疑ってしまう文面でした。研究者としての立場を大変心配されていましたが(それは妥当ですけど)、どちらかというと人間としてどうなのかを先に心配したほうがいいのでは。ちなみにこの時点で私は怒りを表明していません。レポに致命的な誤りが含まれていたこと、修正の手間を取らせてしまったことに関しては謝罪の意を伝えています。

一連のツイートやメールのやり取りですが、矢倉さんからのメールやツイート内容からも分かる通り、シンポジウムの準備で体調が極度に悪かったこと、ただでさえ文系の学部は厳しい状況の中、当該大学の文学部が廃止確定という悪条件も重なっての態度だったとは思います。

経緯にも書いたとおり、レポのネット掲載に関しては、事前に司会の先生に確認を取り、実際に見ていただいた上でOKをもらっています。加えて、その先生は個人のまとめには関知しないというスタンスで、そこが矢倉さんと食い違っていました(明らかな間違いがあるようなら修正してもらおうと思っていたみたいです)。

つまり、矢倉さんとしてはネット上に公開して欲しくなかったところを、「学会としては個人のまとめに一切関知しませんよ」という見解が出てしまったために、ひっじょーーーーーに不服ながら、私のレポ公開を認めざるを得なくなった、ということのようです。だから、修正すれば公開していいよケッみたいな捨て台詞を吐いたのかと。

この捨て台詞のあと、謝罪メールが2件送られてきました。内容は一転してしおらしく、謝罪ポイントも的確でした。シンポジウムの狙いについて関係者間の認識の齟齬や、研究者としてのキャリアへの影響の懸念、連日の体調不良などから、私に八つ当たりするような形になったことにも言及されていました。今回の問題(一般参加者がレポをネット上にアップすることなど)についてはすでに関係者間で話し合いが持たれ、矢倉さんからも事の経緯と自分が至らなかった旨の説明をされたとのことです。私はここでようやく「あ、この人も一応大人だったんだな」と初めて思ったくらいです。

でも時既に遅しで、その頃には私の堪忍袋の緒が切れており、それまで迅速に返信していたところを、今度ばかりは返信しませんでした。その間に私がTwitterに怒りツイート。その後立て続けに来た謝罪メール第2弾ももちろん無視です。

怒りツイート

長いので全文はTwitterで読んでください

修正はもらったものの、かなり頭に来ていたため、とてもそれを再度公開する気にはなれませんでした。

謝罪メールはしおらしく的確だったと書きましたが、同時に事を内々に済ませたいという意図が何となく滲み出ていたのも更に私を怒らせました。Twitterの公開アカウントで裏取りなしに私をdisった上、それについて弁解も特にない割には穏便に収めたいなんて虫が良すぎます。ネット上で拡散されると仕事の依頼に響いて困るんでしょうか。もうすぐ職場(大学)が変わろうかというタイミングだったのもあるかもしれません。

これはもう個人的にやり取りしている場合ではなかろう、もうちょっと公的なルートからクッションを挟んで連絡しようと、当該大学の事務室へ抗議のメールを送りました。本音を言えばメール全文をネット上に公開したかったけど、それはやめました。ネットバトルは不毛だし、野次馬が面白がるだけですし。あと単純に法律に引っかかる可能性が大。

それからしばらくして、矢倉さんのTwitterにこのような投稿が。

知名度があって踏み台になりそうな学者を見つけて、一つの論点に絞って強い言葉で非難する→アカデミズムの政治・敵対関係に乗っかって拡散される→編集者の目にとまる→院生のうちに、できれば学部のうちに商業誌デビューする→それを足がかりに「業績」をつくる。競争が激しい現代の学問的就職活動。
posted at 14:52:04 12月29日

https://web.archive.org/web/20191230090327/https://twitter.com/yu_ichi_japan/status/1211162951777845249

なんかすごい方向に邪推してらっしゃる。すみません、私は一介のオタクです。そうかー。そんな方法があるのかー。そうかー。真に受けないようにお願いします。
もちろん、これが私宛てである確証はなかったので当時は何も言わなかったのですが、

  • タイミング的には妥当
    大学事務室へメール…2019年12月21日
    大学事務室から責任者に報告した旨の連絡あり…2019年12月23日
    このツイートが投稿された日時…2019年12月29日
    事務室→責任者の先生→矢倉さん というルートを通ったとすれば、日数的にはまあ妥当かと思います
  • 知名度があって踏み台になりそうな学者
    矢倉さんご自身のことでしょうか?
  • 一つの論点に絞って強い言葉で非難
    →確かに私はめちゃくちゃ怒っていたし、怒っているポイントは一点といえば一点(※Twitter上で謝罪しろ)だった
  • アカデミズムの政治・敵対関係に乗っかって拡散
    シンポジウム自体はとても興味深いものだったので、学会や学会員の方には感謝している旨を書いたのですが、それが学会に取り入る意図と取られた? ビデオゲーム研究者と他の文学研究者の間のパワーバランスにはどうも微妙なところがあるそうです
  • 院生のうちに、できれば学部のうちに
    →質問した際、専攻分野のことをちょろっと話したので、学部生か院生と誤解した?

と、恐らくは抗議メールを読んでの反応だと私は判断しました。直接私のことを指してはいなくても、少なくとも今回の件があっての邪推だろうとは思います。ちなみにこのツイートは現在削除済みです。

そういうわけで、匂わせツイートがあったほかは抗議メールは無視されたわけですが、そういや私も謝罪メールを無視しましたしね。どうあってもTwitter上で謝罪する気がないのは業腹ですが、責任者の先生にも届いているのであれば、最悪それでよしとしました。矢倉さんは、私とのトラブルをあくまで個人的なやり取りの範囲で収めたかったように思えるので、他の先生に知れたなら多少嫌だろうし、ひっかき傷くらいにはなったかなと。

本当に、メール全文を公開したいです。でも、私の失うものに比べて向こうの失う(かもしれない)ものが大きすぎるし、そんなの責任取れないし、第一、最大の理由として残念ながら利害が一致していました。向こうはビデオゲーム研究者としてやっていきたいし、こっちはビデオゲーム研究を続けてほしいわけです。でなければ、わざわざ県をまたいでシンポジウムに出掛けたりなんかしませんよ。

シンポジウムの内容は面白かったので、その後でこういった出来事があったのは非常に残念だし、向こうはTwitter上で謝罪しないし(少なくとも関係者間で認識の違いがあったことくらいは説明してくださいよ、ちらっと司会の先生と見解が違うことを匂わせるツイートをしたけどそれを消したのも知ってます)、私は私でめちゃくちゃ怒っていて修正ファイルも見たくないくらいだったので今まで放置していました。結局1年くらい経っちゃいましたね。

その他、このシンポジウムに関する(と思われる)ツイートをいくつか。

https://web.archive.org/web/20191217065706/https://twitter.com/yu_ichi_japan/status/1206775843495657472

完全スルーして無かったことにはしていなくて、英語力が不足していて書き取れなかったのでレポはないですごめんなさい(発表や質問はありました)って書いたんですが。通常であればすべて英語で行うところを、一般の参加者も想定して日本語ベースで開催することにしたと、ご自身で言っていましたよね。それとも聞き取れるフリしていい加減にあることないこと書くほうがよかったんでしょうか。

https://web.archive.org/web/20191029152314/https://twitter.com/yu_ichi_japan/status/1189150976797634563

https://web.archive.org/web/20191217085127/https://twitter.com/yu_ichi_japan/status/1206803789732139014

https://web.archive.org/web/20191217095756/https://twitter.com/yu_ichi_japan/status/1206805205787893760

https://web.archive.org/web/20191217160518/https://twitter.com/yu_ichi_japan/status/1206873822340644865

その他、こんな感じのツイートが続きました。

https://web.archive.org/web/20191218192705/https://twitter.com/yu_ichi_japan/status/1207376278917042177

また、「遅いインターネット」や「君、バズりたまふことなかれ」という考え方(治療法)をどのように社会に実装し、実践していくのかを考えたとき、自分にできることがあります。自分が福岡でやったイベントの高速の同期、中央集権化に抗うこと。加速と忘却が激化した社会に、待ってもらうこと。
posted at 10:49:10 12月29日

※現在削除済み
https://web.archive.org/web/20191219015127/https://twitter.com/yu_ichi_japan/status/1207477944731353088

あなたに必要なのは「遅いインターネット」ではなくて、「体調やメンタルがバッドな時は脳直でツイートしない」という基本中の基本だと思います。
※「遅いインターネット」についてはシンポジウムの数日前にも言及があるので、今回の件のみで引っ張り出して来たわけではない模様

https://web.archive.org/web/20191224074125/https://twitter.com/yu_ichi_japan/status/1209375611556253696

このタイミングでなければ何ということはないツイートなのですが…ネット上で告知しなければよかった、地元の書店でチラシを配ったほうがよかったという感じがなんとなくすると思うのは私だけですかね。

本来、公開シンポジウムはオープンであるべきだと思うのですが、「学会活動が東京中心のところを、地方大学に人を呼べるイベントだからネット上に掲載しないでほしい」という矢倉さんの狙いもそれなりに理解はできます(それとは別に、学会自体が外部の人間が来ること・ネット上で情報が拡散することをあまり想定していなかった節はあります)。また、録音なしで聞き取りのみの書き起こしが正確でないのは確かなので、微妙な立ち位置にある研究者からしたら、やっぱり少しでも危険性のあるものはやめてもらいたいのも理解できます。だから公開取りやめも検討しますけどどうですか、と2回言ったのにスルーされ、修正してやるから好きに公開しろや的な捨て台詞を吐かれたので、気が向いたら公開しますね。ただ、今のところ修正ファイルを見たくもありませんが。それと、当初と違って閲覧制限をかける形での公開になる旨は抗議メールの中に書いたので、ブログへの再掲はありません。そのあたりが落とし所かと思ったので。

ちなみに私(の書いたレポ)が「研究者としての信用を落とせる」のは、別に私がそう慢心しているわけではなく、矢倉さん自身が言ったことです。私に…そんな力が…? というか、素人が書いたレポを持ち出して政敵を攻撃してくる研究者ってどうなんでしょう。まあ、私にはアカデミアの政治事情は分かりませんけど。とにかく(全員ではないとはいえ)事前に何重にも確認を済ませていたにも関わらず、それをすっ飛ばして頭に来る物言いをぶつけられたもので、メール全文公開とか学会にそれを送りつけるとか、そりゃ一瞬考えましたよね(少なくとも学会はそういうのあまり相手にしないと思います)。

これを書いているうちに「そういえば、Twitter上の発言に関しては発信者が分かっているんだから、普通に訴えればよかった?」と気付いたのですが、そこまで該当するツイートはさすがになかなかないですね。名誉毀損よりは侮辱罪の方がハードルが低いとは言え、その判定もそれなりに厳しいのと、より酷かったのはメールの内容の方なので、当時思い付いたとしてもどっちみち無効だったでしょう。

この件があって、一般人が食いつくようなテーマの公開シンポジウムのレポには今後一切手を出さない…かといったらそんなことはないと思いますが、登壇者全員には確認取っとこうかと。大学組織って企業とは少し違って、一人にOK出されても内部で「えっ、聞いてないんだけど」とゴタゴタした時に、誰かが代表して頭を下げるということはそうそうないかと思うので(それこそ大学ぐるみで不正があったとかそういうレベル)。

追記

この文章を書いてからしばらく寝かせておいたのですが、普通にメール内容を公開してもよかったな、とちょっと思っているところです。利害の一致とか法律とか、別に考慮しなくてもいいじゃんと。どうしようかな。