かたくりかたこりかたつむり

やっぱり誤字脱字は氷山の一角

ビョーク/Moonアプリ解説和訳【Biophilia】

《ムーン》では、感情的な再生を観察し、月の周期、潮の満ち干き、人間の生物学的なリズムを探索します。

新月のたびに私たちはひとつのサイクルを終え、一新することを提案されます。リスクをとること、他の人々と繋がること、愛すること、与えることを。

想像、憂鬱、再生の分野の象徴としての月は、《ムーン》の曲とアプリの中で、音のパターン、満ち欠けという視覚的イメージ、再生についての歌詞によって表現されています。

《ムーン》アプリでは、音楽構造、人間のバイオリズム、月と波のサイクルが結び付けられているのです。

音の出る真珠の鎖は水に洗われることで奏でられ、その水は月の変化によって引き寄せられています。アニメーションは形状とハープのメロディーの関係性を示していて、音楽と自然の周期の関係性を発見することができます。

Nikki Dibbenによる楽曲分析

「MaxパッチとLemur(アルゴリズムとタッチスクリーン)を月の満ち欠けと似た方法でプログラミングするのはとても楽しかった。

そういう種類のパターンは自然だし、みんな知ってる。でもそれを曲に落とし込むにはどうすればいいんだろう? 特に、実のところかなりかっちりした電子音楽には、とね」

ビョーク

曲を作るにあたり、ビョークは自然のサイクルを選びました。月、潮の満ち干き、人間のバイオリズムなど。そしてそれらを音楽構造への説明に用いました。

《ムーン》におけるビョークの主な音楽的アイデアは月の「満ち欠け」に由来しています。月の満ち欠けは太陽、月、地球の互いに連動した配置によって変化していきます。

私たちに見える月相は、新月(太陽と月が地球から見て同じ側にあり、月の照らされた面は見えない)から満月(太陽と月が地球から見て反対側にあり、全面が照らされている)へと変化していきます。

満月までの日数はおよそ29日間で、カレンダーの月はこれに由来しています。

《ムーン》アプリでは、このサイクルが他の現象に及ぼす影響が強調されています。

太陽と月の引力、地球の回転は海の増減に影響を及ぼしています。

月に対する地球の自転は、地球が月に面していない側よりも、その反対側でより影響を及ぼして水を引き寄せていることを意味します。

科学的に証明された関連はないものの、月周期と体のリズムに関連があると主張する人もいます。例えば月経周期はおよそ一月続きますが、これは月周期と、潮汐周期の倍数に近似しています。また「menstruation(月経)」、「month(月)」、「moon(月)」という単語は同じ起源を共有しています。

音楽を通して自然界のサイクルについての考えを伝えるため、ビョークとスタジオエンジニアのダミアン・テイラーはMaxを使用しました。Maxは音楽用のビジュアルプログラミングソフトで、画面上でビルディングブロック(小さなプログラム)を繋げて「パッチ(Maxプログラム)」を作ることができます。

『バイオフィリア』の大半で、これらのプログラムはLemurのタッチスクリーンインターフェイスでコントロールされています。Lemurは『ヴォルタ』ツアーで初めて使用されており、iPadの登場を予期したものでした。

《ムーン》を作るにあたり、ビョークは異なる素材を切り替えるためにゲームコントローラを使用しました。これによって異なる曲のセクションで拍子を変えることが可能になり、また従来のポップミュージックの拍子を避けることができたのです。従来の拍子は2の倍数を用いる傾向がありますが、そのかわりに素数を用いています(例えば8/17拍子という珍しい拍子など)。また、月の満ち欠けという発想を捉えるため、ビョークはその構造材料として拍子を使っています。

月周期、潮汐周期、《ムーン》の音楽素材の関係はメロディーラインの中に聞こえてきます――メロディーの上下として。作曲家たちは、自然界の形や動きを表現するためにしばしばメロディーラインを用いてきました。

音の高さと空間的な高さの類似性は、旋律の上下が、例えば波のような実世界の現象の上下のように聞こえるということを意味します。

《ムーン》のアニメーションは、音符を音の高さで表現することでこの関係性をより明確にしています。

ハープのパートは、メロディーラインや拍子の異なる5種類の反復素材で構成されています。曲の始めの17個の音の下降音型と、最初のボーカルパートで伴奏となるより動きの少ない音型。「as if the healthiest past time(まるで一番健やかなあの頃が)」という歌詞の部分の、17個の音の上昇音型と上昇する伴奏。そして8/8拍子の動きのない「爪弾く」音型と、その後に聞こえてくる初のソロパート。

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月の満ち欠けの変化をゆるやかに描写するこの曲のために、ビョークはこれらを様々な組み合わせで呈示することで、万華鏡のような形や構造のパターンを作り出しました。ハープのメロディーは下降し、上昇し、正反対の動きで交差し、フラットになります。この組み合わせを並べることで、最初はまばらで空白のある音がより豊かになり、それからまたまばらになるというテクスチャーが作られているのです。

曲の最後では言葉、イメージ、音の関係の近さが強調されています。「the end all and the beginning all(すべての終わりとすべての始まり)」という歌詞は、曲の出だしと同じく下降していくフレーズが再び巡ってくるのと同時に現れます。

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《ムーン》アプリでは曲の作成とシーケンサーへの変換のためにMaxプログラムの使用を採用しています。このシーケンサーは月、真珠、水のイメージを介してコントロールが可能です。月相と潮の満ち干きを変化させると、水が流れ出て「音が鳴る」真珠が増減します。真珠はそれぞれこの曲に使われている音程のコレクションからの異なった音色を演奏するように調整することができます。

再生の象徴としての月という考えの音の具体化――このように音楽構造は自然界のリズミカルなサイクルを表しているのです。


この曲は月の満ち欠けを爪弾くハープの音が綺麗ですね。「ムーン」に限らず『バイオフィリア』の曲は全てシンプルですが、実際のところ作曲する過程ではものすごく複雑なことをやっているんだなと感じます。説明するとなるとどうも小難しくなってしまいがちですが、本来このアプリは構える必要は全くなく、子供でも直感的に感じ取れるものです。でも解説が英語というのがまた敷居を上げてしまっている気がします……というわけでやっと訳し終わりました。

以下の記事では独自の分析がされています。

Björk / Biophilia (2011)|The flower seems out of reach

フィギュアーツZERO 主人公 (ペルソナ3)レビュー

フィギュアーツのP3主人公フィギュアのレビューです。発売まで長かった!

遠目で見た時の印象や価格、メーカーを考慮すると、結構いい出来なのではないかと思います。D-Artsタナトスと組み合わせるとなお良し。

フィギュアーツZERO 主人公 (ペルソナ3)
フィギュアーツZERO 主人公 (ペルソナ3)

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「ペルソナ3」の続編としての「ペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ」

ペルソナ4の続編の格闘ゲームペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナをプレイしての所感です。レビューとはちょっと違います。

 

B007WPOPZ2 ペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ
アトラス 2012-07-26

by G-Tools

私はまったりプレイできるゲームが好きで格ゲーには興味がなく、当初はいくら続編だからと言ってもスルーの予定でした。しかしプレイした人から聞こえてくる「ストーリーモードはほとんどノベルゲー」、「P3が好きな人こそやるべき」の声にいっちょ釣られてみるかと思ったわけです。

 

そしてストーリーモードをプレイして思ったのは、やたらP4の正統続編を謳っていますが、予想以上にP3の物語だということです。P4はこのゲームでは表層部分に過ぎません。格ゲー要素もしかり。物語の根幹、深層はP3です。作っていく過程で、当初は仲間同士で戦うためのストーリーを作っていたのが、想定以上にP3部分が膨らんでしまった、あるいは意図的にそうしたのではという印象を受けました。

 

このゲームのストーリーは「P3が好きで、P3 fesの後日談を受け入れられる人」が一番楽しめるのです。話の構造としては、P3側がメインでP4メンバーは巻き込まれた側です。ただし次回作ではどうなるかは分かりません。というのも、ストーリーはこれ一本では完結しないからです。新たな事実が判明し、仕切り直しのタイミングで物語は終了します。この部分にも思うところはありますね。

 

大きなテーマは「仲間同士の戦い」、「絆の揺らぎ」。ストーリー部分は今までの主人公を軸にしたADV形式から、キャラクターごとの視点のノベルゲー形式になり、その分個々のキャラクターの心情が細かく描写されています。しかしストーリーの重複が目立つため、やはり一本のストーリーとして楽しみたかったという不満もあります。

 

また今回感じたのはキャラ描写への「配慮」です。ストーリーでは仲間から自分の気付きたくない部分を言われるシーンがありますが、それはある仕掛けのせいであり本当はそのようなことは言われていません。これは「誰も傷つけることなくキャラの裏面を描写する」というやり方で、P4における「影」などもそうです。おそらく、P3の人間的に汚い部分を晒してキャラを描写するという部分を好まないユーザーが多かったのではと思います。非常にぬるいのですが、ユーザーの求めるものを提供しているとは感じます。

 

さて、そもそも「なぜ格ゲーか」を考えると、「アトラス側の負担を最小限に抑えつつ、出来るだけ大きなリターンを得る」ためではないでしょうか(もちろんスタッフに格ゲー好きが多いこともあるとは思いますが)。完全に推測でしかありませんが、今ペルソナシリーズの次回作を作っているとすると、据え置きタイトルを同時に開発するだけの体力が今のアトラス(インデックス)にはなく、そのためゲームの根幹部分を共同開発という形でアークシステムワークスに任せたのではと思うのです。

 

アトラス側はキャラクター、シナリオ、イラスト、音楽を提供し、アークは既存のシステムを使ってペルソナらしさを加えた格ゲーを提供する。その結果、格ゲーとしては異例の初週約13万本を売り上げました。作り手からすればまさにWin-Win。しかしPシリーズはADV要素の多いRPGであり、格ゲーをプレイする層とは求めるものが違ってきます。そのため、Pシリーズファン全員が満足できるかは、正直やや微妙なバランスと言えます。

 

やはり「なぜ格ゲー?」感は否めず、P3の名前を冠したRPGやドラマCDが相応しいように思います(あまり分岐がないので)。しかし、人気タイトルのクロスオーバー作品の割には酷いことにはなっていません。ここのところあからさまなメディア展開や続編が目立つPシリーズですが、現時点では質は維持されています。その点を踏まえればプレイして損はないでしょう。


「ペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ」オリジナル・サウンドトラック 「ペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ」オリジナル・サウンドトラック
(ゲーム・ミュージック)

by G-Tools

劇場版「ペルソナ3」制作決定ムービー公開

劇場版ペルソナ3の公式サイトにて、劇場上映版ペルソナ4の最後に上映された制作決定予告のムービーが公開されました。見られるのは影時間中のみ(朝まで)だそうです。

更新日は満月の夜で決まり( ´∀`)b

劇場版「ペルソナ3」 公式サイト2

劇場版「ペルソナ3」公式サイト


ペルソナコンピレーションCD IペルソナコンピレーションCD I
ゲーム・ミュージック

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Time To Make History 和訳

Time To Make History

歌:平田志穂子 作詞:Benjamin Franklin 作・編曲:目黒将司

 

It's a war out there everyday

You can't hide from it, gotta play

by the rules

play it cool

gotta laugh in the face

of the sad disgrace

when your friends and foes look alike on the face of it

 

they missed their history

but they fight over a place in it

yeah they fight over a place in it

 

Hard-hit by the times

That's just how your life goes by

I know it's not your fault you say

But there ain't no other way

 

So step on up to the plate

Meet your fate

Walkin' straight on into the lion's lair

 

So step on up - up to the plate

Cause this ain't no game

It's time to make history yeah!

 

 

Time To Make History

 

毎日が戦いだ

身を潜めてはいられない

ルールに従い

クールに振舞わなきゃ

惨めな目にさらされても

笑っていなきゃ

仲間と敵が見かけはそっくりに見えたなら

 

彼らは過去を失ってしまった

けれど居場所をめぐって争っている

そう、居場所をめぐって争っているんだ

 

時に打ちのめされて

君の人生は過ぎてゆく

君のせいじゃないよ

君は言う でも他に方法なんてないんだと

 

なら受けて立とうじゃないか

最後を遂げよう

危険のまっただ中へ飛び込んで

 

なら受けて立とうじゃないか

だってゲームなんかじゃない

歴史を作る時が来たんだ

 


ひとまずP4G戦闘曲和訳出来ました。例によってツッコミは募集中です。

 

ペルソナ4 ザ・ゴールデン オリジナル・サウンドトラック ペルソナ4 ザ・ゴールデン オリジナル・サウンドトラック
ゲーム・ミュージック 平田志穂子 久慈川りせ(釘宮理恵)

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劇場版「ペルソナ3」公式サイトオープン

劇場版「ペルソナ3」 公式サイト

影時間に劇場版ペルソナ3の公式サイトがオープン。

加えて公式Twitterアカウントが始動しました。

公式サイト http://www.p3m.jp/

Twitter公式アカウント @P3movie

公式アカウントによれば「まだ制作も序盤もいいとこで、制作が決定したというだけ」ということで、まだまだ情報公開には遠そうですが、気長に待ちたいと思います。


ペルソナ3 フェス PlayStation 2 the Bestペルソナ3 フェス PlayStation 2 the Best

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劇場版「ペルソナ3」制作決定 と思うところを書いていったら着地点がそれ

そんなつもりはなかったんですが、大分前回の更新から期間が空いてしまったようでびっくりしてます。

そしてそんなうちにペルソナ3が映画化決定です。ペルソナ4の劇場上映会で、スタッフロールの後に主人公が召喚機を使っていたそうで。Twitterで見ていて「お…!?」となってました。

まだ公式サイトなどはないですし、A立プロデューサーもしばらくは情報を出すつもりはないとのことで、一旦落ち着いております。

今回のことについては色々と思うところがあって、私個人の中でも様々な意見が飛び交ってます。

(●^o^●)「ペルソナ3きたぁぁぁぁ動く!!!!!」

(;´Д`)「スタッフは!? 作画崩壊はもう嫌だぞ!? トリソスタッフ来い!」

(-_-)「インデックスはやる気だ…搾り取れるだけ絞り取ってくる時代がやって来たよ」

(・・?「映画一本にストーリーを全部収めるのかな? 出来るとは思うけど色々省かれるだろうな~」

(´;ω;`)「最近のアトラスは展開の贔屓が酷くてなんだかなあ…」

\(^o^)/「トリニティ・ソウルが空気とか言ってる奴は裏返す」

こんな感じですね(笑)

ペルソナ4を大プッシュな最近の展開からすると、ペルソナ3にも新たな展開があることは嬉しいです。でもインデックスに吸収合併されてからというもの、アトラスの展開には少々不安なところが…いや少々どころじゃないんですが、良くも悪くも商売っ気が出てきて、とにかく売れるタイトルをメディアミックスして、その後のエピソードでさらに展開して…という状態に辟易しかけているところです。金が取れるコンテンツを出がらしになるまで搾り取ってる感じがするんですね。

でも世の中にはそういうものがたくさん溢れてるわけです。某シリーズとか。まあ…だったらせめてクオリティの高いものを出してくれればいいのかなと思ってはいます。

しかしトリニティ・ソウルの言われっぷりが酷い。私はリアルタイムで見たわけではないので、ペルソナ3アニメ化来るか!? と思ったらオリジナルアニメだった! というガッカリ感を味わったり、ペルソナ3の10年後を強くアピールする宣伝に触れたことはありません。でもファンがあまりにも「ちょっとでも違ったら嫌だ」と思っていると、シリーズの硬直化を招く気がします。それはすでにメガテンシリーズで起きていることなんですがね。硬直した伝統というのは死に体ですよ。

…何か、色々考えると一気にネガティブな方向に行ってしまうのが欠点だなあ。というわけで、諸々の要素が重なった結果「ワゴンの名作」というありがたくない地位を獲得してしまっている神ゲーアバチュをやるといいよみんな。ちなみに1と2は続いているから両方プレイすることが前提だ!

B00029BR2ODIGITAL DEVIL SAGA ~アバタール・チューナー~
アトラス 2004-07-15

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B000E814YEATLUS BEST COLLECTION DIGITAL DEVIL SAGA ~アバタール・チューナー2~
アトラス 2006-03-23

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