かたくりかたこりかたつむり

やっぱり誤字脱字は氷山の一角

真IVF皆殺しルート考察 人を喰らう人の形をした何か

※皆殺しルートのネタバレあり

 

真・女神転生IV FINALを、絆ルートに続き、皆殺しルートもクリア。展開としては好きな部類でしたが、絆ルートよりも疑問に思う部分も大きかった。皆殺しに至る主人公・ナナシの動機、心境が謎なんです。

 

ある選択の結果、ナナシは仲間全員を手にかけることになりますが、その動機を想像するのが難しい。というのも、ナナシは無口主人公なので何を思うかはプレイヤー次第ではあるのですが、基本的に身近な仲間には恵まれていて、彼らを殺す動機が薄いように思えます。

 

加えて、今作では選択肢による属性値がNeutral-LightとNeutral-Darkの2種類存在していますが(N-L選択肢は主に仲間を気遣う・思いやるもの、N-D選択肢は仲間を省みないものが多い)、どのルートへ進むかは最後の分岐での選択にかかっていて、属性値によるルート決定は起こりません(どちらかに偏った状態で正反対のルートを選ぶとペナルティはある)。つまり、仲間を大事にする発言を繰り返していても、皆殺しを選択するナナシという人物像もありえることになってしまう。選択次第では、ともするとナナシという人格がとっ散らかって一貫性のないものに思えて、いまいち理解・共感しにくいのです。

 

そこで、仮にナナシをある特定のパーソナリティを持った人物だと仮定して、ストーリー上で疑問に思った行動や動機について、一本筋が通ったキャラクターとして考えてみてはどうだろうかと思いました。

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Björk / Pleasure Is All Mine 和訳

Pleasure Is All Mine

私こそありがとう

寛大な人間になることは

何よりも強い姿勢

私こそありがとう

しまいには解き放って

私を守る

漂う私たち

誰よりも与える人

私こそありがとう

私たちのような女は

誰よりも強くなる

宿主のように

迷ったら与えるの

迷ったら与えるの

迷ったら与えるのよ

Pleasure Is All Mine

the pleasure is all mine

to get to be the generous one

is the strongest stance

the pleasure is all mine

to finally let go

and defend me

we float

who gives most

who gives most

who gives most

the pleasure is all mine

women like us

we strengthen most

host-like

when in doubt give

when in doubt give

when in doubt give


しばらくこの歌詞の意味が分からなかったのですが、何となく"Desired Constellation"に似た系統なのかと最近気付きました"(Desired Constellation"は曲のアイデアのパクリについての歌詞です)。

Björk / Earth Intruders 和訳

Earth Intruders

私たちは地球への侵入者

地球への侵入者

木の枝を手に泥にまみれて

大混乱! 大虐殺!

侵入者がやって来た

私たちは落下傘兵

狙撃手たちの大暴走が

ブードゥーからまっしぐら

足を踏み鳴らして

行進して

疑り深い人たちを粉々にして土へ還す

降り注ぐ善きものが

尽きかけて 疑念が溢れ出る

降り注ぐ善きものが 尽きようとしている

地球への侵入者

私たちは狙撃兵

落下傘兵の群れ

欠かせない呪術

私は自分の骨に

電流を通してみた

それでもまだ彼らが好きだった

私も好きだった

金属質の大虐殺!

残虐!

風を感じて!

地球への侵入者

私たちは狙撃兵

落下傘兵の群れ

欠かせない呪術

あっちでは大混乱

大虐殺!

何をすれば でも掘って

土から骨を掘り出すの

泥の墓! 樹木!

恐ろしい溝の痕!

侵入者がやって来た

抵抗勢力の大暴走

私たちは砲撃手

欠かせない呪術

そして

たくさんの頭と腕をした

獣が転がって

強引に突き進む!

私たちは地球への侵入者

地球への侵入者

木の枝を手に泥にまみれて

(この一族にお許しを)

私たちは地球への侵入者

地球への侵入者

木の枝を手に泥にまみれて

地球への侵入者

木の枝を手に泥にまみれて

私たちは地球への侵入者

地球への侵入者

木の枝を手に泥にまみれて

行進する

進め

進め

進め

Earth Intruders

we are the earth intruders

we are the earth intruders

muddy with twigs and branches

turmoil! carnage!

here come the earth intruders

we are the paratroopers

stampede of sharpshooters

come straight from voodoo

with our feet thumping

with our feet marching

grinding skeptics into the soil

shower of goodness

coming to end the doubt pouring over

shower of goodness coming to end

we are the earth intruders

we are the sharp shooters

flock of parashooters

necessary voodoo

I have guided my bones

through some voltage

and loved them still

and loved them too

metallic carnage!

feriocity!

feel the speed!

we are the earth intruders

we are the sharp shooters

flock of parashooters

necessary voodoo

there is turmoil out there

carnage! rambling!

what is to do but dig

dig bones out of earth

mudgraves! timber!

morbid trenches!

here come the earth intruders

stampede of resistance

we are the canoneers

necessary voodoo

and the beast

with many heads

and arms rolling

steamroller!

we are the earth intruders

we are the earth intruders

muddy with twigs and branches

(forgive this tribe)

we are the earth intruders

we are the earth intruders

muddy with twigs and branches

we are the earth intruders

muddy with twigs and branches

we are the earth intruders

we are the earth intruders

muddy with twigs and branches

marching

we are the earth intruders

muddy with twigs and branches

marching

march

march

march


前に訳したものをちょっとお色直ししました。これはスマトラ島沖地震の際にビョークが飛行機の中で見た夢から着想を得た歌詞とのことです。

真IV新規悪魔絵の異質感について考えてみる

イラストについてのお話を。

 

真IVでは、キャラクターデザイナーが変わっただけでなく、ゲストイラストレーターによる新規悪魔が色々と物議を醸しました。まあ、金子悪魔じゃなきゃダメとか、クリーチャー云々とかは、ひとまず横に置いておくとして。私は真III以前の過去作はプレイしていないので、その辺りの伝統とは離れた立ち位置にいるわけです。しかし、それでも異質感を覚えたのは確か。それはどうしてなのか、漠然と感じていたことを文章にまとめて考えてみることにしました。

 

単純にイラスト単体として見た時、そこには単なる「絵柄の違い」よりも、更に深い違いがあるのではないでしょうか。

 

今回の比較対象として、四大天使などのデザインを行った雨宮氏のイラストを選びました。複数いるゲストデザイナーの中で最も独特なイラストかつ、重要ポジションの悪魔のデザインに起用されているからです。他のイラストレーターのものについては割愛します。

 

作中のほとんどの悪魔のデザインをしている金子氏と、今回ゲストだった雨宮氏のイラストの違いとは何か。それは「面の絵」と「線の絵」の違いだと言えないでしょうか。言い換えると、西洋的な絵と東洋的な絵という系統の違い、世界の見方の違いがあるということです。

 

(時期によって異なりますが、近年の)金子氏のイラストは、明らかに面の絵です。驚くほど要素が引き算されたフォルム、立体感を意識した塗り、デッサン重視で頭のなかで回転させたところがイメージ出来るような絵です。ちなみに本人曰く仏像ばっかり見てるらしい。

41ehod+YgvL.jpg

http://ecx.images-amazon.com/images/I/41ehod%2BYgvL.jpg?477530609X

キクリヒメ可愛い。

 

対する雨宮氏。要素は多め、全体のフォルムもですが独特な線の魅力で魅せるタイプの絵で、系統的には水墨画を彷彿とさせるものもあったり。今回書くにあたって雨宮氏の他のイラストを調べましたが、かっこいいですね。平面だからこその良さがあります。

20101118_1272441.jpg

http://nanatukaze.jugem.jp/?eid=378

amemiya.jpg

http://megaten4.jp/sp/story/amemiya.html

真IV版ラファエル。

 

これらはどちらがいいと優劣がつけられるものではありません。ただ、面と線の絵の違い、要素の足し引きの流儀など、割と正反対な絵が同じゲームの中に出て来ると、やはり合わないと感じざるを得ないのかも。

 

ちなみに今作のキャラクターデザイナー・土居氏のイラストは、ぱっと見は副島氏に似ているんですが、意識している面もあるのか、やはり金子氏の影響が見られます。そして、土居氏によって描かれた新規悪魔の絵にさほど違和感がないのは、絵柄が統一されていると言うよりも、線的なイラストが面的に「解釈し直されている」からなのではないでしょうか。

wall03_1280_720.jpg

http://megaten4.jp/spe/wall03_1280_720.jpg

 

右側の4体の天使が雨宮氏デザインの四大天使。

pic.jpg

http://ecx.images-amazon.com/images/I/51LCPKzQOEL._SL500_AA300_.jpg

右側が雨宮氏デザインのとある悪魔。ほらそこ真ん中見るんじゃない。あとこれ宗教画だから。

 

その他、今回参加している篠原氏などは、3DCGイラストレーターでもあるし、絵の系統だけを見れば結構近いと言えるかも知れません。エンシェントデイとか。

 

以上、私が感じる異質感の原因を簡単にまとめてみました。世界観構築のためにはビジュアルって大事だと思うんですが、(ベテランとはいえ)何故違う系統のイラストレーターに依頼したのか、そこが気になっています(そういう意味では、今作に収録されている金子氏の悪魔絵の絵柄のばらつきも同様)。

 

広報でのモノクロでシックなイメージと、実際のゲーム画面のちょっと賑やかなイメージの乖離もそうですが、ビジュアルで統制が取れていない面が見られるのが少々残念でした。ということでまとめ。

デジタルデビルサーガ アバタール・チューナー サントラ未収録曲配布ページ

メモ。アバチュのヒーホークイズ等の曲の無料ダウンロードページ(公式)。MP3ファイルのみダウンロードできます。

この曲、サントラに入ってないんですよね。もったいないことに。

http://web.archive.org/web/20061206085057/http://www.5pb.jp/records/works/exive/dds/dds.html

『ペルソナ3』が『ペルソナ~トリニティ・ソウル~』の「原案」な理由

授業であるキーワードを知ってからというもの常々思っていたことがあるのですが、ペルソナ~トリニティ・ソウル~(以下トリニティ・ソウル)は原案となったペルソナ3を背景として作られ、そして読み解く性質のものではないのかということです。そのキーワードとは間テクスト性(インターテクスチュアリティ)」、文芸批評の畑の用語ですね。

間テクスト性は、テクストの意味を他のテクストとの関連によって見つけ出すことである。……ある著者が先行テクストから借用したり変形したりすることや、ある読者がテクストを読み取る際に別のテクストを参照することをいう。

Wikipedia 間テクスト性

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%96%93%E3%83%86%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%88%E6%80%A7

本来ならWikipediaからの引用は避けたい所ですが、手元にある参考文献よりまとまっていたので引用しました。全てのテクストは先行テクスト(プレテクスト)の引用であり、そのモザイク・変形であるとされます。テクストとは、この場合は分析の対象となる作品のことを指します。

トリニティ・ソウルは、ペルソナ3を先行テクストとして、その引用、変形から成り立っており、また解釈する際にもペルソナ3を参照し、コードとして読み解くことが求められるものなのでは? ということで、ただ単にペルソナが出てくる話というわけではないということです。コードとは読みのベクトルを示す指標のことで、例えばペルソナ3はタロットにおける「愚者の旅」というコードから読み解くことが可能です。また、「ペルソナ」と聞いた時、原作ゲームを知っている人と知らない人では連想するものが違っているはずです。

クリステヴァによれば、ある作品を読むとき、そのテクストが帯びている「コード」が介在することや、フィルターがかかったりすることがあるため、作家から読者へ直接意味が伝えられるわけではないという。

ロラン・バルトが、芸術作品の意味は作品じたいにあるのではなく、鑑賞者の側にあるのだという考え方を述べているが、これも間テクスト的な見方を観点を変えていったものとされる。

間テクスト性とは (intertextuality) 用語解説

http://i.impressrd.jp/e/2008/02/29/389

そもそもペルソナ3の派生作品がある場合、作り手も受け手も先行テクストからの影響を受けることは自然なので、意識的に先行テクストを取り込み、間テクスト性を際立たせたオリジナル作品にしたのではないかと思います。ペルソナ3が「原作」ではなく「原案」だという言葉の意味はそこにあるのではないでしょうか(タイトルの答えを文章半ばで言ってしまった)。

ここから先はネタバレを含みます。

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「PERSONA3 THE MOVIE #1 Spring of Birth」DVD見ました

B00IE4QTYK劇場版ペルソナ3 #1 Spring of Birth(完全生産限定版) [Blu-ray]
アニプレックス 2014-05-14

by G-Tools

何故かセルよりレンタルの方が解禁日が早かったので、借りて見てみました。

P3Mについては祭の喧騒から一歩離れて、劇場版『ペルソナ3』感想に書いた通り、結構しょんぼり気味な私でしたが、それでもまだ気にせずにはいられないコンテンツらしいです。

そして改めて見てみて思ったのは、変に原作のストーリーや設定をいじらず、声優もそのままで順当に映像化されているのだから、それだけで御の字、ここで文句を言うのはお門違いなのだなということ。そのあたりで痛い目を見てきたファンというのが、メディア展開作品において今まで多かったかも知れないことを考えると、その点はやはり素晴らしいしスタッフの理解と配慮を感じます。

私は、わざわざ映画館に足を運んで、大きなスクリーンといい音響で見るとなると、無意識にハードルが上がってしまっていた様です。が、これは全体の出来を見る作品ではなく、お気に入りキャラクターの表情だとか、原作にあるネタが再現されているかだとか、そういう部分部分に注目して見るべきものです。……ということは分かっていたつもりですし、部分でなら好みのシーンは結構あります(結城理の初召喚シーンとか)。人物描写も原作より大分良くなっていて、安心して見られますし。

何なんでしょうね、この釈然としない奥歯に物が挟まったかのような物言い。