はじめに
前にチラッと見たこれ。
chatGPTに「これから私は構想中の物語に関するアイデアを適当に出します。あなたはそれに対して気になった点について具体的に掘り下げるような形で質問してください。」と言ってから思いつきを書くと「編集者との打ち合わせ」ができてしまうことに気づいた。
— ダ・ダ・恐山 (@d_d_osorezan) February 7, 2023
編集者との打ち合わせ代わりに使えるとな。やろう。
書きたいゲームレビューがあるけど、いまいちどこから手を付けたらいいのか分からんくて書けないなーとゴロゴロしていたので、とりあえずChatGPTをとっかかりに使ってみた。
- はじめに
- ChatGPTに編集者のつもりで話し相手になってもらう
- プロンプトのコツ
- 返答してみる
- いいところ
- 使えんところ
- もっと突っ込んでネタ出しする
- 任意のテーマについて深掘りするポイントを出してもらう
- 番外編:書くのが辛い時の応援団になってもらう
- 書いた文章をBing AIに分析してもらう
- まとめ
ChatGPTに編集者のつもりで話し相手になってもらう
私:あなたはこれからウェブメディアの優秀な編集者としてふるまってください。ゲームをプレイした感想をブログに書きたいのですが、文章がまとまりません。私が文章を書くのを手伝ってください。文章を書くための質問を私にしてください。あなたが文章を書く必要はありません。質問をはひとつずつしてください。
以下のような答え。いい感じ。
ChatGPT:分かりました。では、以下の質問をひとつずつお答えいただけると、文章を書くのに役立つでしょう。
- ゲームのタイトルは何ですか?
- ゲームをプレイする前の期待や興味は何でしたか?
- ゲームを実際にプレイした感想は何ですか?
- ゲームのグラフィックや音楽についての感想は何ですか?
- ゲームプレイの面白さやゲームのシステムについての感想は何ですか?
- ゲームのストーリーやキャラクターについての感想は何ですか?
- ゲームのお勧めポイントや他のゲームとの比較についての感想は何ですか?
- ゲームをプレイした結果、自分自身に何か変化や気づきはありましたか?
- 最終的に、このゲームをプレイした感想を一言で表現すると何ですか?
以上の質問にお答えいただき、それぞれの感想を簡潔にまとめていくことで、文章がより具体的にかつまとまりのあるものになるでしょう。何か質問があればお知らせください。お手伝いさせていただきます。
プロンプトのコツ
プロンプト
あなたはこれからウェブメディアの優秀な編集者としてふるまってください。ゲームをプレイした感想をブログに書きたいのですが、文章がまとまりません。私が文章を書くのを手伝ってください。文章を書くための質問を私にしてください。あなたが文章を書く必要はありません。質問はひとつずつしてください。
ロール(役割)の設定
ChatGPTを使う際の定番。今回は「ウェブメディアの優秀な編集者」に設定してみた。
あくまでChatGPT「に」質問してもらう
チャットボットという性質上なのか、ChatGPTは放っておくとすぐ質問に「答えようとする」。この場合は逆で、ChatGPTの質問に私が答えたいため、最初に言い含めておく。
あくまでChatGPTには聞き役に徹してもらう
前述の通り、性質上なのか、ChatGPTはすぐに答えたがる。この場合は自分で勝手にゲームレビューを書き出してしまうことが多い。それは私がやることなので、やっぱり最初に念押ししておく。
ひとつずつ答えてもOKなようにする
「質問はひとつずつしてください」と入れると、こちらがひとつずつ答えてもChatGPTが次の答えを待っていてくれる。これを指定しないと、入力した答えから適当な文章をでっち上げがち。
再生成してガチャる
これはプロンプトのコツではなく使い方。自然言語の命令では、ChatGPTはいまいち返答が安定しない。ChatGPTがあさっての方向の答えを出してきたら、即「Regenerate response」を押して返答を再生成するのがいい。
返答してみる
とりあえずChatGPT扮する編集さんに聞かれたことを、ひとつひとつ答えていく。これだけでも書くべきことが結構整理される。何を書こうかすでに決まっている文章ならこのくらいは出てくるけど、今回はそこがもうひとつで書けずにダラダラしていたのだ。
ゲームのタイトル
深世海 Into the Depthゲームをプレイする前の期待や興味
雰囲気が好みなのでプレイしたい気持ちはあったが、以前、流行りの雰囲気ゲーを外見だけなぞった某アプリゲーに出くわしたことで警戒していた。深世海 Into the Depthは一見ABUZÛに似ていた。ゲームを実際にプレイした感想は何ですか?
心配は杞憂。ゆったりと海底を探索するのが楽しい。篆書体を多用した、和風レトロなグラフィックデザインなども大変好み。ゲームのグラフィックや音楽についての感想は何ですか?
篆書体を多様した、和風レトロなグラフィックデザインが大変好み。音楽も大変聴き応えがあり、特にハンドパンの音色が海底にいることを感じさせる。ゲームプレイの面白さやゲームのシステムについての感想は何ですか?
明確な説明のない、いわゆる「雰囲気ゲー」のため、主人公が置かれた状況などは、残された手かがりなどから何となく想像していくしかない。時に敵に襲われながらも、お供の探査機と静かに深海を探索していくとゆったりした気持ちになる。一方で、アクションゲームとしての作り込みとしては若干甘い部分もある。特定の採掘アイテムが途中から余ってしまい、掘っても持ちきれない。お供の探査機が進行の邪魔になるなど。アクションの腕を活かすというよりは、あくまで雰囲気にひたる方を優先する人におすすめ。ゲームのストーリーやキャラクターについての感想は何ですか?
はっきりしたストーリーラインはないゲーム。いい意味でポストアポカリプスものの定番。ただし、選択肢ではなくラスボスとの戦いの勝ち負けによってエンディングが分岐する仕様については若干引っかかる。作り手の意図は分かるものの、あえて一本道の方がゲーム体験としてはスムーズだったように思う。ゲームのお勧めポイントや他のゲームとの比較についての感想は何ですか?
本当に深海に潜ったかのような、浮遊感のある動きと音楽。独特の和風スチームパンクとでもいうようなデザイン。ゲームをプレイした結果、自分自身に何か変化や気づきはありましたか?
ラスボスとの勝ち負けで分岐するエンディングのうち、明らかにバッドエンドとされているだろうエンディングの方が好き。もちろんストーリーによって価値観が強力に固定されている場合もあるが、明確に語られないゲームだからこそ、エンディングの価値観の判断はプレイヤーにゆだねてほしかったかも。最終的に、このゲームをプレイした感想を一言で表現すると何ですか?
好きなのに食わず嫌いしていてもったいなかった。
いいところ
擬似的でも対面だとスムーズに文章が出てくる。ゲームの感想だけではなく、小説などはもちろん、作品の感想を伝えたいけど感情が昂りすぎて「ヴァー!」しか声にならない時など、割と「人と話してるつもりで文章のとっかかりを練っていく」というメソッドは効果的なのかもしれない。
使えんところ
実際に使う文章をChatGPTに書かせるのは結構キツいのでやめたほうが無難。大規模言語モデルの「次に来る確率が高い言葉を続けていく」という仕様上、どうしても当たり障りのない=つまらない文章ができてしまいがち。
もっと突っ込んでネタ出しする
実際に文章を書いていくと、先ほどの質問に対する答えだけでは全然足りない。そこで追い質問をしてもらう。
私:ここまで私の書いた文章について、深掘りしたほうがよい部分を提案してください。
ChatGPT:もちろんです。ご提供いただいた感想について、以下のような深掘りの提案があります。
- ゲームのアクション要素についての感想: 「アクションゲームとしての作り込みが若干甘い」という点について、具体的にどのような部分が甘いと感じられたのか、またそれがゲームプレイにどのような影響を与えたのかをお聞きすることで、より詳細な評価を得ることができます。
- ゲームのストーリーの不明確さについての感想: 「明確な説明のない雰囲気ゲー」という点について、ストーリーの不明確さがゲーム体験にどのような影響を与えたのか、また自分自身がストーリーをどのように解釈したのかをお聞きすることで、深い印象や気づきを引き出すことができます。
- エンディングについての感想: 「ラスボスとの勝ち負けで分岐するエンディングについての価値観の判断をプレイヤーにゆだねてほしかった」という点について、なぜそう感じたのか、また自分自身がどのようなエンディングを好んでいるのかをお聞きすることで、プレイヤーの価値観や感性について深く探求することができます。
これらの提案を参考にして、より具体的にゲームプレイについての感想を深掘りしてみてください。お答えいただくことで、より詳細な情報を得ることができ、より深いレビューができるでしょう。
任意のテーマについて深掘りするポイントを出してもらう
具体的に書きたいポイントが決まっている部分は、あらかじめテーマを指定して聞いてみた。
私:私はこのゲームのデザイン面やビジュアル、音楽がとても好みなので、その話題について書こうと思います。具体的にどういう点について書けばいいでしょうか。
ChatGPT:素晴らしいです!ゲームのデザイン面やビジュアル、音楽についての話題を書く際には、以下のような具体的なポイントについて触れることができます。
- デザインの一貫性: ゲーム内のデザインが一貫性を持っていて、世界観やストーリーに合ったものであるかどうかを評価することができます。例えば、キャラクターや背景、UI/UXなどのデザインが統一感があり、ゲームの雰囲気やテーマにマッチしているかどうかを考察することができます。
- ビジュアルのクオリティ: ゲームのグラフィックスやアートワークのクオリティが高いかどうかを評価することができます。例えば、美麗なグラフィックスや独創的なアートスタイル、細部までのこだわりなどがあるかどうかを考察することができます。
- 音楽の演出: ゲーム内の音楽がゲームの世界観やストーリーに合ったものであり、プレイヤーの感情や雰囲気を引き立てる役割を果たしているかどうかを評価することができます。例えば、BGMの選曲や演出、効果音の使い方などがゲームの魅力を高めているかどうかを考察することができます。
- ユーザーエクスペリエンスの向上: ゲームのデザインが、プレイヤーにとって快適で使いやすいものであるかどうかを評価することができます。例えば、UIのレイアウトや操作性、チュートリアルの分かりやすさ、ユーザーフィードバックの質などが良いかどうかを考察することができます。
- 独創性や斬新性: ゲームのデザインやビジュアル、音楽が独創的で斬新なものであるかどうかを評価することができます。例えば、他のゲームにはない独自のデザインやビジュアルスタイル、新しい音楽のアプローチなどがあるかどうかを考察することができます。
書くポイントとして、「デザインの一貫性」「ビジュアルのクオリティ」「音楽の演出」「ユーザーエクスペリエンスの向上」「独創性や斬新性」が上がってきた。お、書けそう。
番外編:書くのが辛い時の応援団になってもらう
駄文でも書くのは楽しいけど辛い。辛いけど楽しい。誰か横で励ましてほしい。という時に使える。雑談はChatGPTの得意とするところ。心なんてこもってなくていいので、字面だけでも励ましてくれると嬉しい。
私:書くのがつらいので励ましてください。
ChatGPT:大丈夫です、頑張ってください!書くことは時には大変なことかもしれませんが、自分の感想や思いを文章にすることはとても有益な経験です。自分自身の感性や観察力を磨くことができますし、他人と自分の意見を共有することもできます。あなたの文章が完成したときには、自信を持って成果を見せられることでしょう。頑張って素敵な文章を書いてください!応援しています!
正直、今回で一番役に立った回答かもしれない。
書いた文章をBing AIに分析してもらう
というわけでできあがった文章がこちら。ついでだから、これも分析してもらう。
katakurikatakori.hatenablog.com
GPT-4ベースのBing AIを使えば、書いた記事の分析もしてくれる。※「より創造的に」モード使用
なぜChatGPTでないかというと、普通に書くだけだとChatGPTはURL先の内容を取得できないので、新しい記事は分析には使えないんである。なので、そこができるBing AIを使う。
ただ、記事のURLを指定しても、どうもBingの検索結果上位の記事を優先するらしく、違う! 同じドメインだけどそっちの記事じゃない! ということがちょいちょい起こる。Bingにクロールされていない記事もダメっぽい。アップしたばかりの文章は、Bing Webマスターツールでインデックス登録の申請が必要。
プロンプト
たまにあさっての方向の返事を寄越すけど、おおむね以下のプロンプトでいける。
以下の記事を分析して、評価を答えてください。(以下URL)
「新しいトピック」ボタンを押して真っ更にすると、返答がやたら優しくなったかと思えば、やたら手厳しくなったりして、ChatGPTの気まぐれなところが出ている。これもガチャるの推奨。
試しに『深世海』のレビュー記事を分析してもらう
書き上がって公開した記事を分析してもらう。そこそこ使えるんではないだろうか。
私:以下の記事を分析してください。https://katakurikatakori.hatenablog.com/entry/2023/04/23/165253
ChatGPT:記事を分析します。この記事は、『深世海 Into the Depth』というゲームのレビューです。『深世海 Into the Depth』は、海底の難破船で暮らしていた主人公が、氷に侵食されて棲家を失い、機械の仲間と共に深海の謎を探るメトロイドヴァニア型のアクションゲームです1。
記事の構成は以下のようになっています。
- はじめに:ゲームに興味を持ったきっかけやプレイした時期などを紹介
- ストーリーとゲームプレイ:ゲームのあらすじや操作感、パズルや敵などの要素を評価
- アート&サウンドトラック:ゲームのビジュアルや音楽、効果音などの演出面を評価
- 終盤のシナリオの引っかかりと、『深世海』が私にとってのナラティブゲームになり得なかった理由:ゲームの結末やメッセージに対する感想や疑問
- おわりに:ゲーム全体の感想やおすすめ度などをまとめ
記事の特徴としては、以下の点が挙げられます。
- ゲームに関する知識や用語が豊富で、他のゲーム作品と比較したり参照したりしている
- ゲームの魅力や欠点を具体的な例や画像で補足しながら説明している
- ゲームの世界観やテーマに対する個人的な解釈や考察を述べている
- ゲームに対する愛着や感情移入が強く伝わる表現や言い回しを使っている
以上が、記事の分析結果です。ご参考になれば幸いです。
評価基準
サジェストに出てきたので、評価基準も聞いてみた。
私:記事の評価にはどのような基準を使っていますか?
ChatGPT:記事の評価には、以下のような基準を使っています。
- 記事がゲームの内容や雰囲気を正確に伝えているかどうか
- 記事がゲームの特徴や魅力を具体的に説明しているかどうか
- 記事が筆者自身の感想や解釈を述べているかどうか
- 記事がゲームに関する補足情報や購入方法を提供しているかどうかこれらの基準は、記事が読者にとって有益で興味深いものであることを測るために用いられます
改善点も出してもらう
これもサジェストに出てきたので試してみたけど、文章の性質によりけりで、実用性は低め。
- この記事の改善点があれば教えてください。
- 記事の改善点を実際に修正してみてください。
まとめ
ChatGPTを文章作成応援団として使うのは、思ったよりよさそう。いちいちロールを指定したり、回答をガチャる必要はあるものの、書きあぐねている時のとっかかりには結構役に立つ。心がこもっていないからこその美辞麗句を並べた励まし機能付き。